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Kアリーナプロジェクト 「ミュージックテラス」街区の創生 音楽アリーナ/ホテル/オフィス 複合開発プロジェクトの推進力 Kアリーナ事業準備室 課長 鳥山 彬弘 AKIHIRO TORIYAMA 2009年入社 Kアリーナ事業準備室 部長 佐藤 希 NOZOMU SATO 2006年入社

横浜市西区のみなとみらい21地区で推進する大規模複合開発「Kアリーナプロジェクト」。
2023年秋の開業に向けて、開発、運営準備に力を注ぐ2名の社員に話を聞き、
事業の経緯や今後の展望について紹介していきます。

Kアリーナプロジェクト

ケン・コーポレーションが、横浜市西区のみなとみらい21地区で推進する大規模複合開発プロジェクト。2万席を誇る世界最大級の音楽に特化したアリーナとなる「Kアリーナ横浜」に加えて、ホテル棟「ヒルトン横浜」、オフィス棟「Kタワー横浜」を併設し、各棟をつなぐ広場を設けることで、さまざまな来訪者を迎え入れる賑わいの場を創出します。

Phase 01 開発 関係者それぞれの想いを、プロジェクトの推進力に。Kアリーナ事業準備室 課長 鳥山 彬弘

国際都市・横浜に、世界最大級の
音楽アリーナを開発

横浜市が、みなとみらい21地区の現在の事業地での開発事業者の公募をはじめたのは、2017年1月のことでした。当時、企画部で高級住宅のコンサルティング業務や自社開発物件の事業推進を担当していた私は、横浜市の公募に対してケン・コーポレーションとして提案するべきとの社内決定を受けて、当社としてどのような事業を推進すべきかという検討を進め、提案内容や投資計画の詳細を詰めて提案書としてまとめあげる業務を担当することになったのです。

横浜市から提示された事業要件は「観光・エンターテイメントを軸とした街づくりによって、街のにぎわいを創出し、企業誘致を促す」というものでした。横浜みなとみらい21地区への観光来街者数は多いのですが、首都圏からの日帰り観光が中心でした。このため宿泊を伴うような来街者や滞在型の観光施設が少ないことが課題となっていました。そこで、世界中からゲストを受け入れる世界最大級の音楽アリーナとインターナショナルブランドのホテル、オフィスを併設する計画としました。当社の強みであるインターナショナルブランドのホテルを誘致することが他社の提案との差別化につながると考え、さらに、ホテルとの親和性が高く多くのゲストを集客し収益に貢献する施設として、音楽に特化したアリーナを選択しました。

多くの出会いを推進力に、
新たな事業領域に踏み込む

横浜市から事業者決定の通知を受けたのは、2017年11月のこと。そこから関連する部署のメンバーたちを迎えてプロジェクトチームとして動くことになりました。私は、2015年からの2年半、国土交通省に出向し、市街地再開発などの大規模な事業に携わってきました。現在のプロジェクトは、事業規模、投資額ともに当社にとって最大級の事業であり、重責を感じていますが、国土交通省での経験はそんな高い壁を乗り越える自信になっていると思います。

Kアリーナプロジェクトが動き出したのは、毎年のように建築コストが上昇する局面で、世の中の多くのプロジェクトが頓挫したり時期を改めるなか、グレード感を損なうことなくコストを合わせて着工できるかが最初のハードルとなりました。さまざまな調整を経て、着工となったのが2020年の8月。その後は、設計・施工など開発現場の進捗を管理しながら、開業後の運営や施設管理に携わるチームとの協議、調整などの橋渡し役を担っています。同時に、エリアマネジメント担当として、屋外イベントや地域連携などの活動を検討するような業務も行っています。公演だけを楽しみにいくコンサート会場ではなく、その前後に飲食を楽しんだり、公演後の余韻に浸ることができるような本格的な音楽アリーナとして、多くの人々に受け入れられることが、このプロジェクトの成功だと思います。その先には、このプロジェクトでの多くの関係者との出会いを推進力として、さらに新たな事業領域に踏み込み、当社の事業のフィールドをさらに広げていきたいと考えています。

Phase 02 運営 エンターテイメント領域の新たな可能性にチャレンジしたい。Kアリーナ事業準備室 部長 佐藤 希

前例のないプロジェクトを
運営面から支える

私は入社2年目からグループ会社のシブヤテレビジョンに出向し、エンターテイメント領域の新規事業の企画立案およびその運営に携わってきました。Kアリーナプロジェクトには2019年から参加し、音楽アリーナの運営についてその準備段階から関わってきました。当時は、音楽アリーナ施設そのもののあり方について議論する段階で、どのような構造にするのか、どんな内装に設えるべきか、そもそもステージを所有するのかといった開業後の運営に直結する課題が検討されていました。イベントの企画・運営者やアーティストサイドの関係者たちが、どのようなことを望んでいるのかをヒアリングし、現在の興行がどのように成り立っているのかを客観的な情報を集めて共有し、議論を重ねました。

現在は、主に開業後の運営を担う営業企画チームで、ライブイベントの主催者に貸していく料金体系をはじめとした貸し館としての各種条件やルールを定めようとしています。さらに、プロモーターやアーティスト事務所などの施設利用者にご案内しながら、予約を受け付けて埋めていく業務にも着手しています。これまで企画部が中心となって進めてきた施設のプランニングや投資計画をもとに、投下資金をどのように回収し、事業を運営していくのかを検討しながら、開業後を見据えた活動を実施しています。

エンターテイメント事業を、
将来の柱に

ミュージックエンターテイメント業界は、ここ数年、CDやDVDなどのパッケージ市場が衰退するなか、ライブ、コンサートなどのマーケットは急激な伸びを見せてきました。コロナ禍によって、ライブエンターテイメント市場もまた、大きなダメージを受けましたが、エンターテイメントというコンテンツ自体が傷を負ったわけではありません。また、ライブ公演をオンライン配信するという動きも見られましたが、リアルなライブ興行にとって変わる存在になるのは難しいことも見えてきました。コロナ禍が業界変革の大きな契機になるとしても、これまで日常的に存在していたライブという娯楽がなくなることはなく、むしろリアルで自由に楽しむことができなくなったからこそ、その価値が見直されることになると考えています。

こうした変化は、ライブイベントを楽しまれるゲストだけではなく、チケットの価格設定やライブ自体の演出方法など、ライブイベントの提供者サイドの常識を変え、より大きなマーケットを創出する契機となるのではないかと考えています。その意味でKアリーナプロジェクトは、飲食エリアやバーラウンジの充実、ホスピタリティあふれるVIPエリアやバルコニーシートの設置など、これまでの常識にとらわれない新たな試みをふんだんに取り入れています。そうした取り組みが広く認知され、ミュージックエンターテイメントの世界に新たな波をつくり出す会場にするために、Kアリーナ横浜の価値を積極的に発信していきたいと思います。そして、このエンターテイメント事業が、当社の不動産、ホテル、太陽光事業に次ぐ、新たな柱になっていくことを願っています。

※内容はすべて取材当時のものです