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2023年7月に竣工したKタワー横浜はみなとみらいの音楽文化の発信拠点として注目を集めるKアリーナ横浜と同じ敷地『ミュージックテラス』内に立地。大型オフィスの林立する計画都市・みなとみらいの強みに加え、他のオフィスとは異なる特徴を併せもちます。企業にとって、働く人にとってその他いくつかの視点からKタワー横浜についてご紹介しましょう。
Kタワー横浜が立地するのはみなとみらいのうちでも北側の横浜駅に近い一画。横浜駅東口からは歩いて10分強で、そもそもこの立地が希少とケン・コーポーション横浜支店の黒岩弘幸氏。
「みなとみらいの多くのオフィスの最寄り駅はみなとみらい線のみなとみらい駅。横浜中心部、都心にもアクセスできる路線で便利ですが、利用できるのは1路線のみ。
それに比べると横浜駅は世界でも有数のターミナル駅。JR、東急東横線・みなとみらい線、京浜急行本線、相模鉄道本線、横浜市営地下鉄ブルーラインと複数路線が使え、どこに行くにも便利です。この足回りの良さは来社するお客様にも、働く人にもうれしいポイントではないでしょうか。」
横浜駅東口から向かうと、ちょうど正面に敷地があるという視認性の高さも大きな特徴のひとつです。
「同じ敷地『ミュージックテラス』内には2023年9月に開業、世界的にも注目を集めた2万席の音楽アリーナ『Kアリーナ横浜』、横浜初進出となる『ヒルトン横浜』があり、敷地が横に伸びているため、風景としてインパクトがあり、近づくにつれて広がりを感じるようになっています。」とケン・コーポレーション企画部の前川直之氏。
現時点で目立つ建物であることに加え、Kアリーナ横浜、ヒルトン横浜があることで今後、さらに認知度が上がることが期待できます。コンサートが開かれる度に2万人もの人が訪れ、それがメディアに取り上げられればミュージックテラスは多くの人が知る場所になっていきます。よくテレビその他のメディアで見るKアリーナ横浜の隣にあるオフィスとなれば、来社するお客様に説明しやすく、訪れるのを楽しみにしてくださる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「隣接してホテルがあるのも強みです。会議で、接待で、お客様の宿泊で、会社のイベントでなどとさまざまに使えるからです。実際、入居されている企業様からはホテルの宴会場でイベントを開催したい、ボードミーティングのために宿泊を予約したいという声も頂いています。いずれはもっと連携した使いやすさを検討したいと考えています。」(黒岩氏)
ホテルだけでなく、敷地全体が使えるという点も付け加えておきましょう。ミュージックテラスでは2階レベルのデッキですべての施設が繋がっており、イベントスペースとして利用できるようになっています。
すでに海外の有名アーティストの公演に合わせてその国の企業のイベント開催が決まっており、自動車関連企業からのイベント開催の打診その他も寄せられているとか。自社をアピールする場があるオフィスというわけです。
働く人にとっても横浜駅徒歩圏の立地は魅力です。複数路線が利用できるのであれば、住む場所その他の選択肢が広がります。
「横浜は長年住みやすいまちとして選ばれ続けていますが、職住近接が実現しやすく、住んで楽しい多様性のあるまちです。遊び、憩いの場が多数ある一方で教育、医療なども揃っています。
コロナ禍では横浜から湘南にかけての人気が急上昇しましたが、それは都心よりも手頃に環境、広さにこだわった住まい選びができるからでしょう。都会でありながら、海、山など自然が身近な暮らしを考えるなら横浜を起点にするのは手です。」(黒岩氏)
立地だけでなく、Kタワー横浜からの眺望も横浜らしいの一言。みなとみらいの多くのオフィスからの眺望は海を除けばどちらかといえば近代的なものが中心になりますが、Kタワー横浜の窓辺に広がるのは水辺、緑、そしてビル。都会的ではあるものの、水と緑があることで潤いがあり、リラックスできます。
「目の前に運河が流れる眺望はみなとみらい内では他に類がありません。運河ですから、今後、目の前に建物が建つこともなく、ずっとこの眺望は維持されます。対岸と距離があるので視線を意識する必要もありませんし、天気が良いと富士山も見えます。
コロナ禍では自宅でも仕事ができることを実感した人が多かったと思いますが、それでもオフィスで働くのであればこれまでとは違うオフィスが求められます。気持ちよく快適な空間であることはそのひとつ。自然の姿の変化は気分転換やリフレッシュをもたらすはずです。」(前川氏)
かつてより、オフィスにも居住性が求められるようになってきたということでしょう。オフィスの場合、室内はどこに立地するオフィスでもそれほど変わることはありません。ですが、眺望はその土地ならではのもの。Kタワー横浜は土地の魅力を生かしたオフィスといえます。
オフィスの室内はどのオフィスでも変わらないと書きましたが、実はKタワー横浜の室内は他のオフィスとは一味違います。言葉で表すとラグジュアリー。機能性を担保した上で、気持ちよく過ごせるためのデザイン、素材が取り入れられているのです。
「特徴が分かりやすいのはトイレ、給湯室。トイレは一般的なオフィスより広めで間接照明のホテルライクなデザインで、女性用トイレをより広くしてあります。鏡の間に照明を配し、洗面所背後にパウダーコーナーを設けるなど使い勝手も考えて作ってあります。」(前川氏)
オフィスでは執務室の広さ、使い勝手に目がいきがちですが、働く人が毎日使うスペースの充実度は忘れずにチェックしたいものです。
共用部だけでなく、オフィス内の壁紙、廊下のカーペット、さらにはエントランスホールの雰囲気などにも同様にオフィスらしからぬという言葉が浮かびます。これは隣接するヒルトン横浜とテイストを合わせたもの。
「ヒルトン横浜は日本のジャズ発祥の地として横浜が音楽の街となった時代に流行した建築様式、アール・デコがモチーフ。それを現代の横浜に再構築したという意味でYOKOHAMA
Decoをデザインコンセプトにしています。Kタワー横浜もそれに合わせており、本当の意味でホテルライクな空間になっています。」(前川氏)
建物は地上21階建てで、みなとみらい駅周辺のオフィスビルに比べるとコンパクト。4~21階の基準階面積は約735㎡(約222坪)で天井高2.8m、整形な区画でフロアアレンジがしやすいオフィスです。
「みなとみらいエリアでは1フロア1000坪、1200坪という大型のオフィスが中心で、Kタワー横浜はみなとみらいで一番小さい。大きすぎないという意味でちょうどいいサイズとご紹介しています。
これまでみなとみらいにオフィスを構えたかったものの、そこまでの広さは必要ない、1000坪のうちの200坪を借りるより自社で1フロア借りたいという企業であれば使い勝手の良い広さ。サテライトとしても使いやすいかと思います。
みなとみらいではもう余っている土地はほとんどありませんから、今後、オフィスが増えることはあまり期待できません。Kタワー横浜ができたことで、みなとみらいのオフィスの選択肢が広がったと思います。」(黒岩氏)
オフィスの機能については資料等を見ていただくとして、2点だけ特徴的なことをご紹介しましょう。ひとつは換気機能。コロナ禍を受けて換気の仕様を気にする企業が増えているそうで、それに対応。自動的に1時間に2.35回の自動換気を行うほか、手動開閉による自然換気装置を設置しています。
「窓2つにひとつ、外気を取り込める口が用意されており、電気が止まっても手動で換気できます。高層ビルでは窓が開けられないものですが、この仕組みがあれば大丈夫。これだけ多く設置されているビルはほぼないかと思います。」(黒岩氏)
もうひとつはミュージックテラス全体に共通することですが、完全な歩車分離になっていること。建物のエントランスは人工地盤の上の2階にあり、1階は車空間。人は2階を利用することになっています。
Kタワー横浜では1階に車をつけると、そこに車利用者のためのエレベーターホールがあり、そのまま、オフィスに直行できる仕組み。人にも車にも安全で、雨の日にも濡れずに移動できます。
ところで、コロナ禍ではオフィスニーズの変化が取りざたされました。現在の横浜のオフィス市場はどうなっているのでしょう。
「みなとみらいに限りませんが、東京都心部も含め、2023年、2024年は大型案件が続々竣工、新築ラッシュと言えそうな状況で、供給も増えています。そのため、一時的だと思いますが、空室も出てきており、選ぶ側からすると好機と言えます。選んで借りられるタイミングということです。」(黒岩氏)
そのタイミングで借りるなら、単にオフィスを広くしたいというだけでなく、リクルーティング、自社の認知度アップその他さまざまな効果を考えて選びたいところ。黒岩氏はそのうちでもみなとみらいにはBCP的な観点から他の地域にない大きなメリットがあるといいます。
「液状化対策として地盤改良が行われており、周辺湾岸エリアでは低い土地が多いのに対し、みなとみらいは海抜3mの高さに土地が作られています。4つの大きな公園の地下には50万人が3日間利用できるだけの水の備蓄があるなど、さまざまな対策が講じられています。事業の継続性を考えるなら、首都圏近郊で安心できるエリアのひとつです。」(黒岩氏)
また、横浜市が企業誘致に力を入れており、他自治体に比べて手厚い助成、バックアップがあるのも知っておきたい点。みなとみらいには大きな会社が集まり、情報も集まっている点も付け加えておきましょう。
入居企業、引き合いがある企業は現在のところ、横浜市あるいは神奈川県にゆかりのある会社が中心になっています。
「近くにある日産や日揮、千代田化工などの企業の影響もあり、自動車関係、プラント関係、半導体関係などの企業からのお問い合わせが多く、約半数は横浜市にゆかりのある会社です。残りの25%ほどは神奈川県内から、それ以外は東京以外の会社がサテライトとして使いたいというものが目立ちます。」(黒岩氏)
いろいろな業種に便利で使いやすい立地ですが、黒岩氏も前川氏もこの場所の力を使ってくれる企業に来てもらいたいと考えています。
「横浜市はこの場所を核にして横浜駅東口に賑わいを生みたいと考え、その要望に応じて私たちはミュージックテラスを作りました。今後、それを一緒に実現していける、地域を盛り上げながらその力を利用して自社をアピール、大きくしていきたいと考える企業に来ていただければと考えています。」(前川氏)
また、ケン・コーポレーションは単なるビルオーナーではなく、住宅、ホテル、エンタメスペースなどとさまざまな不動産を扱っており、企業の問題を不動産の面から解決できます。
「私たちは貸主、借主の枠を超えて入居者に寄り添える会社だと思っています。一緒に考えて借主に欲しいモノを提供できる会社でもあり、それを利用、一緒に連携、成長していける企業に来ていただければとうれしいですね」(黒岩氏)
現在、みなとみらい大橋とミュージックテラスを結ぶ歩行者デッキ(仮称)高島水際線デッキが建設中で、これが完成すれば横浜駅東口側からの所要時間は10分弱に短縮されます。2024年には完成予定とのことで、そうなれば利便性はさらに高まります。水辺を歩いてオフィスへというのも横浜らしいのではないでしょうか。
掲載中の施設名・駅名・社員の所属などの情報は2023年12月現在のものです。
東京情報堂代表。街選びのプロとして首都圏のほとんどの街を踏破した、住まいと街の解説者。早稲田大学教育学部で地理・歴史を学び、卒業後は東洋経済、ホームプレス、東京人その他の紙、ウェブ媒体で編集者、ライターとして記事、書籍等を手がけており、主な著書に「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)、「解決!空き家問題」「東京格差」(ちくま新書)その他著書、かかわった本多数。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。宅地建物取引士、行政書士有資格者。