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青森県佐井村は下北半島の西側に位置する津軽海峡に面した本州最北に近い村。NPO法人「日本で最も美しい村」連合に参加する景観に恵まれた漁業の地で、ケン・コーポレーション、森ビルが共同で推進する風力発電計画が動き始めています。本計画の事業地は青森県むつ市にも及びますが、本特集では計画の発端となった佐井村に焦点を当て、都心からは遠く離れた佐井村との関係、事業内容や今後の計画などについて伺いました。
※写真はイメージです
早くから環境問題に取組み、他に先駆けた緑化、生物多様性保全などに取り組んできた森ビル株式会社が脱炭素、再生可能エネルギーへの取り組みを本格化し始めたのは2018年頃から。
「もともと、都市開発のミッションのひとつに環境、緑などは盛り込まれていましたが、2008年に専門の部署が発足し、2022年には事業で必要とするエネルギーを再生可能エネルギーに移行していく目標を掲げました。当面は非化石証書を活用していきますが、それでは根本的な問題解決に繋がりません。また、非化石証書の量には限りがあること、将来的な価格上昇リスクなども勘案し、自分たちで電源開発をする方針を打ち出し、事業についてのリサーチを始めました」と森ビル株式会社都市開発本部計画企画部環境推進部部長でサスティナビリティ委員会事務局、エネルギー事業管理室を兼務する武田正浩さん。
森ビル(株) 都市開発本部計画企画部環境推進部部長 兼 サスティナビリティ委員会事務局 兼 エネルギー事業管理室 武田正浩氏
最初は太陽光発電を検討。リサーチを進める中で本業において深い付き合いのあるケン・コーポレーションがすでに再生可能エネルギー事業に取り組んでいることを知ります。そこで話を聞くために武田さんたちがケン・コーポレーションを訪れたのが2022年のことでした。
「再生可能エネルギー事業について話をしていく中で話が風力発電に及び、弊社の佐藤(佐藤繁代表取締役会長)から『佐井村というところがあるんだが』と具体的な地名が出ました。佐藤は佐井村とは10年以上にわたる付き合いがあり、そこで地名が出たのです」とケン・コーポレーション常務執行役員でエネルギー事業開発部長の島影朋範さん。
初めて佐井村という地名を聞いた武田さんたちは会議終了後、すぐにそれがどこか、どんな場所かを調べたそうです。
佐井村は青森県下北半島の西側、大間町に隣接している
佐井村には鉄道駅がありません。そのため、東京から向かうと最短ルートでも三沢空港まで空路で向かい、その後、車利用で3時間ほど。計4時間超かかり、他に新幹線+車、空路+フェリー+車といくつかルートはあるものの、いずれもかなりの時間がかかります。
その佐井村とケン・コーポレーションとの繋がりは10年以上前に遡ります。
※景勝地として有名な「仏ケ浦」と佐井湊
「佐井村はマグロで有名な大間町の隣にあり、漁業が主要な産業のひとつです。弊社では不動産以外にホテル事業も広く展開していますが、そこで佐井村から食材を仕入れてきました。単に仕入れるだけでなく、漁業振興のために定置網などを寄付したり、2016年には村主催の婚活イベントに当時人気だった鉄人シェフ4人を招聘したりするなど、さまざまな形で村と交流を続けてきました。佐藤自身も現地に赴いたりするなど、村役場には支援への感謝を記した碑もあって村への思い入れもひとしお。現地の風の強さも熟知しており、そこで風力発電に向いているととっさに言葉が出たのでしょう」(島影さん)
(株)ケン・コーポレーション常務執行役員 兼 エネルギー事業開発部長 島影朋範氏
思いがけない地名に驚きつつも武田さんは島影さんと共にすぐ現地視察に向かいます。
「最初は村の海に近い低地エリアで検討を開始し、周辺の地権者や町内会長にお話しを聞きにいきました。」(武田さん)
この時点での懸念事項は、土地を手配できるか、送電線に接続できるか、そしてどこに建てるべきかという主に3点。第一候補としては上述したように海に近いエリアでしたが、山間部の高台という案もありました。
立地の検討と平行して進めたのは風力発電のプロであるパートナーの選考です。今回は2社の共同事業で進める計画をしていたのですが、事業主として関わることを希望する事業者が多かったのだとか。
最終的には実績も豊富でコンサルティングから建設、メンテナンスまでを一貫して担当できる株式会社日立パワーソリューションズと一緒に取り組むことになりました。
そこから本格的な候補地選びが始まりました。最終的には当初検討していた海の近くではなく、居住エリアから離れた山の尾根上に決まるのですが、その経緯にはプロの目と同時に共同事業の根幹ともいえる地域への配慮がありました。
「風力発電は羽根(ブレード)が回転することにより風切り音が発生します。そのため、設置場所の選定においては、周辺環境への配慮が必要です。事業者は事前に調査を行い、周辺住民へ丁寧な説明が求められます。今回の事業においては、居住エリアから離れた場所に設置することが望ましいと考えました。」と株式会社日立パワーソリューションズ風力事業開発部担当部長の田口克行さん。
(株)日立パワーソリューションズ 風力事業開発部担当部長 田口克行氏
ケン・コーポレーション、森ビルともに考えは同じでした。
「弊社は時間をかけて地域の方々に説明をし、ご理解いただいた上で共に進めるというやり方でこれまで都市づくりを手掛けてまいりました。自分たちの利益だけでなく、地域への貢献を同時に考える、そんなやり方です。
当然、今回の事業もそうしたやり方で進めます。地元の方々は音や景観に関してさまざまな意見をお持ちですが、風力発電は脱炭素化のために重要な手段。誠意をもって取り組むことでそうしたマイナスイメージを払拭し、私たちの事業だけでなく、風力発電そのものの推進に貢献したいと考えています」(武田さん)
また、風が強いのも山間部でした。
「まずは地図から風が強そうな場所を絞り込んでいきました。同時に国定公園などの法規制エリアや建設、運用、メンテナンスなどを考えて道路があるか、急峻な地形ではないか、送電線があるかなどもチェック。最終的に選んだのがむつ市との境界に近い尾根の上でした」(田口さん)
その立地であれば最も近い居住エリアからでも5キロは離れており、村内の主要な眺望点からは風車の姿があまり目立たない位置にあります。また、佐井村のガイドラインでは居住エリアと風力発電所との距離を最低でも500m以上としています。そのため、5キロ離れていれば十分な距離が確保されていると言えます。
選んだ場所で風況を測ってみたところ、風力発電の運用に必要な風量が得られることも分かりました。
「風力発電を推進するために国は風況マップを作っていますが、正確に知るためには実地での調査が欠かせません。検討の結果、候補地には最大10基設置できることが分かりました」(田口さん)
※画像はイメージです
これまでの適地探しでは10ヶ所、20ヶ所検討した結果、適地は数カ所だったということもよくあるそうで、今回の立地は非常に優秀といえそうです。
場所の選定と同時に住民への説明も進められていました。
「住民説明会を告知するため事前に町内会長を訪問しましたが、ご挨拶は順調に進みました。それまでの付き合いの素地があった点がポイントでした」(島影さん)
説明会では、一部の参加者から懸念に関する質問も寄せられましたが、そうした質問にも丁寧に回答。現在は、村役場はもちろん、村の地区連合会、農業委員会、青森県や林野庁、東北農政局、有識者などからなる佐井村農山漁村再生可能エネルギー協議会で今後の地元への貢献についての検討を進めています。
「村への貢献としてほぼ確実なのは発電した電気を供給すること。もうひとつ、建設資材搬入のために支障になる家屋を買い取り、道路整備を進める計画もあります。これによって遠回りしなくて済むようになり、村の道路事情が改善されます」(島影さん)
※画像はイメージです
「風力発電事業は、建設時には地元に雇用を生むものの、運用が始まるとメンテナンスは事業者が担うことになり、地元にお願いする部分が少なくなります。そこで他の形で地域に貢献できないか、地元の皆さんに意見を聞きながら考えていきたいと思っています」(武田さん)
佐井村が候補地になってからここに至るまで約3年。非常に順調に進んできましたが、着工までにはまだ時間がかかります。
「風力発電建設までには3段階の環境アセスメントの手続きがあります。自然環境、生活環境への影響などを調査、予測して住民に説明、県、国の審査会を通すなどやるべきことは多々あり、今は1段階までクリアし現地での調査を実施しているところ。通常、すべてのアセスメントを終えるには3~4年かかるとされており、今回の事業もあと2年くらいはかかります。
今回の建設現場は国有林なので、アセスメントを終えた後で国に土地の貸付の申請をし、着工はそれ以降。風力発電は、稼働までに10年はかかる事業なのです」(田口さん)
長期的な展望を持って臨むべき事業というわけですが、成果もまた大きなものになります。
「10基すべてが稼働した場合、年間135ギガワットアワーの発電量を予測しており、これは私たちが保有するビル全体の1年間の電気使用量の4分の1に相当します。六本木ヒルズでみると1年分の電気使用量相当に当たります。ビルを運営している以上、自分たちが使う分だけでも再生エネルギーで発電できるようにするのが社会的な責務と考えており、この事業はそのための最初のステップです」(武田さん)
もうひとつ、この事業は風力発電事業全体にとっても意味があると田口さん。
「ヨーロッパでは年間の電力供給に占める風力発電の割合が2023年段階で20%ほどになっていますが、日本ではその20分の1ほど(注)。今後の持続可能な社会、地球環境のために風力発電開発は必須ですが、その障壁のひとつと考えられるのは、これまでの開発が、結果として地元の皆様の意向にそぐわないものだったのでは?との疑問符が少なからずあることです。
それによって風力発電自体に悪いイメージを持つ人もおり、青森県はそうした乱開発に歯止めをかけるべく再生可能エネルギーの立地に制限をかける『自然・地域と再生可能エネルギーとの共生条例』が2025年3月の青森県議会にて可決されました。
乱開発が生んだ誤解を乗り越え、地元に喜んでもらえる風力発電の推進のためには長い目で誠実に取り組む姿勢が必須。今回のやり方をモデルにすべきではないかと思っています」(田口さん)
風力発電事業には誠意をもって地元と向き合い続ける姿勢が欠かせないというわけですが、ここまでの順調な進捗はその結果でしょう。今後の稼働を楽しみにしたいものです。
【取材協力】森ビル株式会社・株式会社日立パワーソリューションズ
(株)東京情報堂代表。街選びのプロとして首都圏のほとんどの街を踏破した、住まいと街の解説者。早稲田大学教育学部で地理・歴史を学び、卒業後は東洋経済、ホームプレス、東京人その他の紙、ウェブ媒体で編集者、ライターとして記事、書籍等を手がけており、主な著書に「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)、「解決!空き家問題」「東京格差」(ちくま新書)その他著書、かかわった本多数。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。宅地建物取引士、行政書士有資格者。
掲載中の施設名・駅名・社員の所属などの情報は2025年3月現在のものです。
(注)一般社団法人日本風力発電協会の報告書・統計、欧州の風力発電(全体&洋上)の状況:2023年より引用。https://jwpa.jp/information/9849/