Story Vol.12 収益・投資等の不動産活用に対応。
事業用不動産のプロ集団「法人営業部」

自分が住むために住宅を買う、借りるといった、いわゆる実需以外の、主に事業・投資分野での不動産ニーズを、ケン・コーポレーション社内で一手に引き受けているのが法人営業部です。住宅の売買、賃貸は一般の方にも分かりやすい分野ですが、事業用、投資用となると対象となる不動産も幅広く、購入決定に至るまでのプロセスも複雑で外からはどのような仕事なのかが分かりにくい部分があります。ここでは法人営業部の仕事と最近の市場動向などについてご紹介しましょう。

法人営業部のメンバー

インタビューに答えていただいた4名。この他3名を加えた、7名の少数精鋭部署です。

安定した収益を求める個人、法人が対象

部署名には法人とありますが、法人営業部が対象にしているのは事業用・投資用物件の購入や売却を検討する個人、法人の方々。個人ではケン・コーポレーションで賃貸住宅を借りる方々同様に富裕層が中心となっている点が一般的な収益不動産を扱う会社とは少し違うところでしょうか。目的も相続対策や節税、投資などさまざまです。

法人では本業以外に安定した収益の柱として不動産に投資したいと考える一般事業法人の他、買い取り再販を行う不動産会社や不動産投資ファンド、マンション建設を手がけるデベロッパーその他の不動産のプロとも取引をしています。個人の場合に富裕層が特徴になっているように、法人の場合にも外資系のファンドが多く、国際的な視野が求められている点が特徴です。

ご存じのように、世界の投資家は今、日本、特に東京に目を向けています。

「アジアで現在、投資先として注目を集めているのはシンガポールと日本ですが、シンガポールは香港と同様に価格が上がり過ぎたと思われている部分があり、それよりはまだ価格的に手頃な東京に投資したいと考える外資のファンドが増えています。治安、政治などが安定している点も安心できると思われているのでしょう」(濵田常務執行役員)。

濵田常務執行役員

海外から巨額の投資が流れ込んでいるわけですが、投資額が上がっているのは外資だけではありません。

「数年前までは2~10億円の予算で探す個人投資家が多かったことを考えると、現在の投資額は確実に上がっており、20億円以上はもちろん、個人で100億円クラスの物件を探す例もあります。比較的法人の予算の方が高い例はあるものの、現在では個人、法人で投資額に大きな差はありません」(的場)。

的場

その背景には、あらゆる業種にとって現在は不安定な時代であるという点があります。本業以外に家賃のように毎月一定額が入ってくる確実な収益源をもうひとつの柱にしたいと考える個人、法人が多いのです。不動産は価格が下がることはあってもゼロにはならず、その点が他の投資よりも安心と考えていらっしゃる方も多いようです。

対象エリアは日本全国、
土地から倉庫まで幅広い物件を扱う

では、どんな不動産を扱っているのでしょう。

「一棟ものの住宅からオフィスビル、商業ビル、自社ビル用地、マンション建設のための土地、借地人が居住したままでいずれ更地にする予定の土地、物流倉庫などと種類はさまざま。範囲も取引数でいえば都心部が多いものの、ケン・コーポレーショングループはこの十数年間ホテル事業をやってきており、北海道から沖縄までの日本全国を対象にしていたことから、法人営業部でも政令都市を中心とした日本全国の不動産を扱っています」(南澤)。

取扱物件イメージ

そのうちでも現在、動きがあるのが住宅と物流倉庫です。レジデンスとロジスティクスと業界では呼称されている物件種別ですが、これはコロナ禍にあってもニーズが高いというのが人気の理由。住まいはどんな時代でも必要ですし、通販利用者急増のこの時代には物流倉庫のニーズも高まっています。逆に、現状では飲食中心のビルやホテルなどは動いていませんが、投資家の中には「だからこそ今がチャンスではないか」と逆張りで考えている方々もいらっしゃるのだとか。

「東京都心はまだまだ値が下がる可能性はありませんが、利回りを最優先するプロのあいだではディスカウントの可能性がある政令指定都市での取引を検討する例も出てきています。最近当社で仲介を手がけたタワーマンションと商業施設の複合施設はまさにそうした取引で、首都圏と関西の法人による売買でした。東京・地方という地域の壁に囚われない広い視点が、今後の事業用不動産の取引で注目される可能性もありそうです。」(花巻)。

時代、時期によって人気が集まる物件、地域も変わるというわけです。

水面下での動きが大半。
住宅とは大きく異なる売買方法

ここまでは一般の方にも分かりやすい話ですが、事業用、投資用不動産には自宅としての不動産と大きく異なる部分がいくつかあります。ひとつは情報がすべて公開されているわけではないという点。住宅の場合には公平な取引を期すため、物件情報はReal Estate Information Network System=REINS(レインズ)に登録され、加盟している不動産事業者であれば誰でも見られる状態になっています。ところが、事業用、投資用不動産の場合は情報が公にされないこともあります。

「金額の大きな取引になりますから、誰でも買えるわけではありません。そのため、買い手に本当に買うつもりがあるのか、買う資力があるのかをきちんと見定めてからでなければ情報を公開しないことがあります。また、ビルの売却予定が公開されると所有する企業の信用不安になりかねない場合もあり、情報の取り扱いは慎重の上にも慎重を期しています。そうでなければ売主、買主双方からの信頼は得られません」(南澤)。

南澤

不動産は所有者でなくても売買ができる仕組みがあり、金額が大きな物件ともなるとそれを悪用する人も出てきます。そうしたことを防ぐためには、いきなり売買の交渉を始めるのではなく、まずは信頼関係を築く必要があるわけです。逆にそこで関係が築ければ公開されていない情報にアクセスできるようになることもあり得ます。事業用不動産は属人性の高いビジネスと言われますが、そこにはこうした事情があるのです。

住宅の場合は気に入った物件があれば即断即決が可能ですが、事業用・投資用物件はそうはいかないこともあります。例えば社内の意見を統一することはもちろん、取引銀行に相談する・デューデリジェンス(簡単に言えば物件調査)を行う等、決断するまでにはその他多くの関係者や法人が関わることになるため、どうしても時間がかかる場合が多いのです。

また、投資の場合には利回りをどう考えるか、会社によって考え方が大きく異なることもよくあります。

「現状、都心部の利回りはネットで3%程度とあまり高くはないため、4%、5%が狙える地方の物件をと考える場合がある一方、立地重視で都心3~5区などの資産性の高い物件を探す例もあります。地方では利回りは良いものの、稼働率が低くなりがちなので、そうした点も加味して考える必要があり、買っておしまいというわけではないのが投資用不動産の難しいところです」(的場)。

投資は買ってからがスタート。
一気通貫の総合サービスが強み

不動産投資ではどんな物件を購入するかが重要であると同じように、運営もポイントになってきます。ケン・コーポレーションの仕事ではリーシング(客付け)と管理、場合によってはリノベーションなどが該当し、そうした一連の流れを社内で一気通貫にできる点が大きな強みです。

総合力を駆使したワンストップサービス

「不動産投資は物件を購入してからが本当の意味でのスタートになります。不動産仲介だけを行っている会社の場合には購入後に運営を任せる会社を選ぶところから始め、さまざまな段階を経て募集ということになりますが、その手間がないのがケン・コーポレーションの特徴でしょう。また、リーシングを自社でやっているため、賃料を高めに見積もって利回りを良く見せるようなこともできません」(花巻)。

もちろん、仲介以降の業務ができれば良いというだけではありません。

「事業用、投資用不動産は居住用不動産以上に取引する個人、法人の収益や将来に大きく影響を与えます。それだけに企業としてのこれまでの実績、積み上げてきた信用、信頼などはもちろん、営業員一人ひとりの知識、行動力やノウハウも不可欠。厳しく見られていることを実感しています」(同上)。

花巻

法人営業部では、今後はそうした総合力を生かして仲介だけでなく、自社で購入・売買、投資を行っていく方針があるとのこと。自社でプレイヤーとなることでこれまで以上に情報収集がやりやすくなり、他社と組んでビジネスに当たることでノウハウを共有する範囲が広がることが大きなメリットになるそうです。

以上、ケン・コーポレーション法人営業部の業務についてご説明をしてきました。事業用不動産の取引においても弊社のスタンダードは常に一定であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。将来を考え、不動産にソリューションを求めようと考えられた場合には直接法人営業部にご相談をいただかなくても、懇意にしている営業員がご相談にのらせていただきます。法人・個人の所有する不動産資産の相談窓口として、広く不動産の可能性を追求してきたケン・コーポレーションの総力で信頼にお答えします。

【文・構成】中川 寛子 HIROKO NAKAGAWA

借りる、買う、貸す、建てるなど、住まいに関する雑誌、書籍、インターネットなどの編集に携わること20数年。長らく表参道に暮らし、都心居住の快適さを身をもって実感している。All About「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。

掲載中の物件名・プロジェクト名・駅名・社員の所属などの情報は2021年1月現在のものです。

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